綺樹はコンサバトリーの、壁際に造り作られているソファーに足を上げて座った。
クッションによりかかり、くつろいでいる。
涼は猫がお気に入りの場所に納まったようなのに笑った。
「昔からおまえはそこが好きだな」
なぜ笑われたのかわからなかったらしい。
ちょっと憮然とした表情になった。
「落ち着くんだ。
ここから見える外の庭も好きだし」
くちびるを尖らせそうな、物言いだった。
「俺の母親も好きだったらしい。
このコンサバトリーを造らせたのも、それに併せて見える庭を西洋風にしたのも母だった」
涼は羊羹を一切れ切ると、指でつまんで綺樹の口元に運んだ。
拒否するのもおかしな雰囲気だったので、綺樹はそのまま口を開けた。

