「珍しいな。
パーティー以外で爪を塗っているなんて」
今は相手にする気が無いらしい。
綺樹は肩の力を抜いた。
「ああ、そうだね。
日本の女の子は皆、小奇麗だから。
何もしていないと浮いてしまって」
自分のグレイッシュなピンクの爪を眺めた。
「NYだと、自分は自分なので、どんなカッコでも気にならなかったんだけど。
ここだと浮いて、目だってしまう。
ただでさえ外人で人目につくのに。
だから擬態しないと。
本当に外人なら堂々としているのかもしれない。
でも中身は半分日本人だから、落ち着かない。
中途半端だな」
綺樹はじっと爪をみつめる。
中途半端だ。
もう一度呟いた。
やることなすこと、みんな。

