* 結局、大学への送り迎えは瞬の役目になった。 瞬と毎晩過ごしながらも、とても涼に会いたかった。 NYに帰るために、さやかに電話をしたのは涼に怒鳴られてから数日経っていた。 いざとなると中々行動が取れなかった。 これで日本を離れたら、二度と来ることはない。 知人関係まで後退したら、涼とは会うこともなくなる。 涼の元を去ると決心したのに、いざとなると踏ん切りがつかない。 相変わらずに自分に綺樹は苦笑するばかりだった。 不要なものは去るべしと思っているのに。 携帯が鳴った。