*

予想していた通り、次の大学への送迎には成介が現れた。


「忙しいのに、ごめんな」

「いえ」


車の中が暖かいのに、ほっとして綺樹は体の力を抜いた。


「社長が忙しくて、代わりに行ってくれと頼まれたのですが、予想していたようですね。
 喧嘩しました?」


綺樹は苦笑いをした。


「うん、まあ」

「どうしてですか?」


成介はため息をついて座席に寄りかかった。


「うん。
 男と寝た上に、男の家に泊まりこんでいてね」


目をむいて見ている。


「いや、そういう寝るじゃないんだけど。
 まあ互いに全裸なことは確かだ。
 とにかくそれがばれちゃってね。
 NYに帰ってからにしろと怒鳴られた」


成介が頭を抱えている。