The side of Paradise ”最後に奪う者”


「手伝おっか?」

「あなたの家に行くの?」

「そうだよ」

「なぜ?」

「なぜ来ないの?」


瞬も首をかしげて聞く。


「まだ決着ついていないじゃない?
 どうして週末が開けたら終了なんだ?
 そんなこと決めてないよ」


にっこりと笑う。

綺樹は思わず声を出して笑ってしまった。

これが最期の男でもいいかもしれない。

少し笑いを収めて、口の端でにやりと笑った。


「私は、まったく一緒に住むには向かない女だよ」

「うん。
 僕もそうなんだ」


瞬もにやりと笑い返した。

そして手を差し出す。

綺樹は差し出された手を取った。