日曜日の夜は、相思相愛の恋人同士のように互いの体を愛しみ合い、彼女も甘えていた。
でも朝、後ろ髪をひかれる様子は微塵も見せずに彼女はあっさりと帰って行った。
瞬も強がりでマンションまで送らず、タクシーを呼んだ。
悩んだ。
苦しんだのかもしれない。
そして今回、主義を捨てた。
「よお、涼」
電話をとった涼は瞬にしては珍しいほど愛想の無い声だと思った。
「ああ」
こいつは仕事をしているのだろうか、と思うような時間にいつもかかってくる。
涼はパソコンで書類をチェックしていたのを中断した。
「どうした?」
「報告」
短くそっけなかった。
「綺樹から電話を貰ったよ」
その呼び方で、これから瞬が語ることがわかるような気がして、鳩尾が冷えた。

