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週末を一緒に過ごしていても、自分に全く執着されていないのはわかっていた。
夜の寝る頃以外は、服を脱がせることは出来なかった。
日曜日の夜、夕食を食べていると、月曜日は大学の仕事だから朝早く帰ることと、なかなか楽しい週末だっ
たと、にこやかに笑いながら告げられた時は、少なからずショックを受けた。
彼女にとって、そんなにも残らなかったものか。
これで終わりにしようというのか。
涼に対する嫉妬心は強かった。
そんな自分に驚くぐらいだった。
女は追いかけない。
みっともない真似はしない。
それが主義だった。

