The side of Paradise ”最後に奪う者”


「そういってもらえると嬉しいな」


ぐりぐりと体を左右に揺さぶる。


「危ない」


綺樹は掴まるものを求めて空中に手を伸ばしたが、瞬は笑いながらそのままソファーに二人して転がった。


「明日からの週末の予定は?」

「どうして?」

「涼と予定が入っている?」


綺樹の表情が引っ込んだ。


「いや。
 週末に涼との予定は入らない」


綺樹は瞬の腕から身を起してソファーから立ち上がった。


「あいつは保護者にすぎないから」


背を向けて、カーテンを少しめくり窓の外を眺めている。