そう言ってくれる男がまだいるのか。
すごく心が揺さぶられた。
だからかもしれない。
そして一人暮らしになって、毎晩物音のしない部屋で、一人寝の寂しさがこたえていたのもあった。
瞬に連れてこられたバーで久々にゲームのような会話を楽しんでいた時、ふっと瞬が身を引くようにして綺樹の全身を眺めるようにした。
「雰囲気、少し変わりましたね」
「そう?」
綺樹はグラスに口をつけながら、ちょっと上目づかいに笑いながら見た。
瞬に体を向けて、くちびるの両端を持ち上げた。
「どう変わった?」
瞬がカウンターに肘をつき、微笑した。
「病持ちになったからかな。
はかなげで、弱っているからか、隙がある。
涼から奪えるかな?」
綺樹は体を戻して声を出して笑った。

