*
綺樹は部屋に入るとしばし携帯をみつめてから、覚えている番号を押した。
「瞬?
久しぶり。
この間は葉山の別荘を貸してくれてありがとう」
「ミズウルゴイティ?」
電話の向こうは驚いたようだった。
「なに?」
「日本にいたの?」
驚いた声だった。
「涼、言ってないの?」
綺樹も驚いた。
「またあいつ隠してたなあ」
その言い方に笑った。
「あまり、長くいるつもりがないから」
「じゃあ、早く会わなくてはいけないですね」
にこやかな声に綺樹は口元でだけ微笑した。
「今、どこです?」
展開の速さにしばし戸惑った。

