The side of Paradise ”最後に奪う者”


    *

綺樹は部屋に入るとしばし携帯をみつめてから、覚えている番号を押した。


「瞬?
 久しぶり。
 この間は葉山の別荘を貸してくれてありがとう」

「ミズウルゴイティ?」


電話の向こうは驚いたようだった。


「なに?」

「日本にいたの?」


驚いた声だった。


「涼、言ってないの?」


綺樹も驚いた。


「またあいつ隠してたなあ」


その言い方に笑った。


「あまり、長くいるつもりがないから」

「じゃあ、早く会わなくてはいけないですね」


にこやかな声に綺樹は口元でだけ微笑した。


「今、どこです?」


展開の速さにしばし戸惑った。