The side of Paradise ”最後に奪う者”


ナス紺色でぎゅっとウェストのところを縛り、Aラインで広がっている。

結んでいた髪の毛はほどかれ、ウェーブがかかって肩に広がっていた。

フランスの女優のようにコケティッシュだった。

ダバリードで働いていたよりも、服装が女らしくなっている気がする。

いや、こっちに預けられてから日増しにだ。

以前は殆ど化粧なんてしていなくて、口紅が塗ってあるぐらいだった。

アイシャドウを塗ると普通の眼差しさえ、憂いて妖しくなる。


「足、見せすぎだ。
 化粧も濃い」


側に座って仕事をしていた高木が噴出した。

涼はそれで自分の口調に気が付いた。


「行くぞ」


ばつが悪くなって涼は歩き出した。