The side of Paradise ”最後に奪う者”


「全く短気なんだから。
 ちょっと位、待つことを覚えろよ」


綺樹が睨むようにしてからすれ違っていく。

涼はため息をつく。

どうして遊ぶ時と遊び人のモードの時は、あんなに男女間のことに聡いのに、通常の時は愚鈍かね。

ボストンに戻っても大丈夫なのか。

気が付いたら襲われているぞ。

考えると涼の気分は荒れる。

単に襲われるだけで終わらないんだからな。

眉根が自然と寄って険しい顔のなるのがわかる。

コートを羽織ってきた綺樹が戻ってきた。