「やっぱり、仕事を取り上げるわけにはいかないよな」
「取り上げる?
彼女から?」
目を丸くしている。
「それは、どう・・なのかしら。
彼女が納得しているならいいと思うけど。
ダバリードの時に何度か会議で同席したことがあったけど、あの人が仕事をしないで時間を過ごせるなんて想像できないわ」
思わず涼は片手で頭を抱えた。
「だよなあ」
「どうかしたの?
仕事のことで彼女ともめているの?」
「もめられればいいんだけどね。
いやなんでもない」
つい愚痴っぽくなる口調を打ち消した。
「綺樹の話はやめよう。
飯の味がしなくなる」
「うふふ。
離婚したって聞いたけど、私が入り込む余地はありかしら?」
そこまで事実を知っていることに涼は固まって、しばらく暁子を凝視する。

