研究室まで顔を出して迎えに行くのは、予防線だ。 今のところ、西園寺の社長を敵に回そうと思う男はいないようだ。 でもどこにも馬鹿な男はいる。 どうするか。 ダミーでも左手に指輪をさせとくか。 指輪。 涼は少し目を細めた。 頭の隅に押しやる。 だめだ。 それを考えるべきではない。 とにかく綺樹を戻さなくては。