The side of Paradise ”最後に奪う者”


   *

一人暮らしか。

綺樹は閉めたドアに寄りかかった。

居候だから待ってたわけじゃない。

でも本当の事なんて言えない。

物音もせず、人の気配も無い静かな寝室で眠るのが怖いなんて。

この屋敷だったら、一人で寝ていても、二つドアの先に涼がいるから。

またああいう場所に戻るのか。

やだな。

ああ、やだ。

呼吸が震える。

目の前の闇を見つめながらしゃがみこみ、膝を抱える。

喉の奥からうめき声がもれていた。

綺樹は呼吸を整えようとした。