「ゆくゆくボストンで一人暮らしだろ。
その前に日本でしてみて段階を踏まないとな」
「一人暮らしか」
にやにやっと笑うのに涼はじろりと睨みつけた。
「男遊びは出来ない身なんだからな」
釘を刺すと、綺樹はちょっとアヒル口になった。
「出来ないわけじゃない」
幾分か拗ねるような口調で呟いて立ち上がった。
「酒と煙草の匂いが酷い。
目も赤いし、無精ひげも生えていて親父臭い。
早くシャワー浴びたらどうだ?
お休み」
「こら、綺樹」
綺樹はひらひらと手を振って、自分の寝室に消えていった。
仕事してきた人間を捕まえて親父くさいだと。
と、いうよりも、出来ないわけじゃないとはどういう意味だ。
疲れも重なって、気分が荒立つ。

