The side of Paradise ”最後に奪う者”

「なんだか悠長なことをしていられないようですね。
　相変わらず男遊びは派手なようですし。
　このままだと彼女、他の男に取られますよ」


息が詰まる。

他の男にとられる。

その言葉に吐きそうになった。

涼はよろめきながら部屋を出て行きかけてドアを掴んだ。

俯き加減で成介へ振り返り、歪んだ笑いを作った。


「おまえ。
　嘘をついたな。
　別れた女がいたじゃないか」

「私は遊び相手の中にはいない、と言ったんです」


涼は再び蒼白な顔になり出て行った。