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闇と光が絶えず交錯していて。

涼は手術後に目を開けた時、何がなんだかわからなかった。

夢の中でずっと誰かと一緒だった気がした。

話しをしたり、笑いあったり、抱き合ったり。

だけど目を開けたら誰もいなかった。

恐怖を伴った喪失感に襲われた。

それは自分の事さえわからなくないからだろうか。

はとこで秘書だという男が状況を説明してくれ、なんとなく自分を取り戻し、日本に帰国した。