「何事もほどほどが一番です。
平凡な人生の幸せと言うのは、偉大なんです。
人が思っている以上に。
気づかない人が多いかもしれませんが」
「平凡?
だろうか、なかろうか、そのポジションで幸せだと思うかどうかだろ」
予想外の反論に成介は口元を緩めた。
「そうですね」
涼はしばらく無言でひたすら書類をめくっていた。
「カウンセラーをつけたほうがいいか?」
「どうでしょう。
あの人、嫌いらしいですよ。
さやかさんにつけられたことがあるらしいですが、手法を熟知しているらしく、煙に巻いていたらしいです」
成介は書類に印が押されるたびに、手に取る。
変な逆わんこそば状態だ。

