The side of Paradise ”最後に奪う者”


涼はどさりと椅子に腰を下ろして背もたれに寄りかかり、腕を組んだ。

ぼんやりとしている綺樹を眺める。

ため息をついて苦々しく言った。


「いつまでおまえに付き合わされるんだろうな」


綺樹の肩がびくりと微動した。


「おれが記憶を失った後、おまえの健康状態は最悪だった。
 だから、さやかさんはおれたちを再会させた。
 再会させても、知人関係でとどまると読んでいたからだろう。
 その通りだったが、二人で考え納得し、決めたことだ。
 それなのに、なぜこんな状態になってるんだ?」


横を向くと忌々しげにため息をついて、前髪を掻き揚げた。


「おまえのせいだけじゃないのはわかってる。
 ただ、前から言っているよな。
 健康管理をしっかりしろと。
 忙しいなら、忙しいなりに体調管理があるだろう?
 体調が悪いと精神的にも弱くなる。
 だからこんな状態にまでなるんだ。
 なぜダバリードをほおっておかなかった。
 さやかさんに恩義があるかもしれないが、おまえはいいように使われているだけだ。
 いつもいつも、こういう状態になる。
 おまえにとって、さやかさんは鬼門だ」


話しているうちに、涼は段々と腹が立ってきて席を立った。