「嫌なら、言うんじゃない」
成介は呟いた。
涼がドアをノックして入っても綺樹は全く動かなかった。
朝、自分が部屋を出て行ったときから姿勢が変わっていない。
「綺樹。
昼だから休憩だ」
涼は向かい側に座り書類をどけると、弁当を目の前に置いた。
蓋を開けると、色とりどりの惣菜が並んでいた。
「ああ、綺麗だな。
どれから食う?」
弁当を見ているのか見ていないのか。
涼は箸を取ると差し出したが、当たり前のように手にしないのに、腰を浮かせて綺樹の手を掴み押し付け
た。
「持て」
箸を持ったが動きは無かった。

