「いく」 「はい?」 小さな声だった。 車のダッシュボードを見つめている。 「いく」 一応、色々なことは届いたらしかった。 更に15分ほどエレベータに乗るのにかかったが、無事に会議室に移動できたのに、内線電話で報告すると、ほどなく涼が現れた。 綺樹が帰らなかったことで、雰囲気は和らいでいた。 机を挟んで差し向かいに座る。 二人の様子は、警察で事情聴取をする人と、受ける人のようだった。 成介に言われたことがそれなりに応えたらしい。 綺樹の様子を見ながら、口を開いた。