卒業式が終わって、一人大学を後にした目の前に、さやかが立った。

あの時の衝撃は忘れない。

今でも目の前にくっきりと蘇る。

ダバリードに自分の存在意義をみつけ、そしてウルゴイティに自分の根をみつけた。

でもどれもこんなに簡単に脆いものだった。

うん、なにもかも、全てだ。

膝を抱え、空っぽの野外舞台をしばらく見つめてから、シャツの下に隠していた銃を取り出した。

躊躇なく、こめかみにあてて引き金を引く。

乾いた破裂音。

これで。

おしまい。