The side of Paradise ”最後に奪う者”


ゴシップ紙に長くダバリードの名前を出すわけには行かない。

今、この時期に。

綺樹は引き出しから便箋を出した。

手にしてさやかの執務室に入る。

さやかも真っ青だった。

珍しいなこの人が、と思った。


「辞表、もってきた」


一緒にIDカードも載せる。


「毎晩、通っていたの、事実だから」


さやかは綺樹を迎えるために立っていたが、力が抜けるように椅子に座った。