毎日見ている映像に、ちらりと映っていた組まれた足。 それだけで十分わかった。 綺樹はフェリックスを選んだ。 以前のように。 関係が断絶しても、それでも縋ってこようとはしない。 綺樹にとって自分は頼れる存在ではない。 重要度はその程度だ。 「支えてくれる奴を確保してるさ」 成介は綺樹との昨晩の電話を思い出す。 “社長とこの頃、電話は?” その言葉が刺さったらしいのが伝わってきた。