涼はくちびるを一直線に結ぶと画面に体を戻して写真を消した。
「いや」
「おやおや随分とあなたも薄情な人ですね。
それとも彼女に思い入れが強すぎるのですかね」
成介は茶封筒に視線を落とした。
「ところで一体、誰が暴露したんです」
「僕だ」
ばさりと茶封筒の中にDVDを入れた。
「一年前に弁護士に依頼したらしい」
成介が笑い出した。
「彼女もそこまでは考え付かなかったでしょうね。
さてさて、では」
成介は涼の前にある電話を手に取った。
「物音一つ立てないで下さいよ」
「何するんだ」
「ばれたことをNYにいる彼女に報告しないといけないでしょう」

