日本のニュースでは、かいつまんでしか取り上げられなかったから、CNNなどのニュースを連日録画して
おいた。
交渉事は苦手だと言ってた通り、ああいう場所に立って遣り合うのは不向きだった。
何事にも真面目に答えすぎる。
適当なあしらいと、はったりが出来ないのだ。
しかも英断ができる立場でないから、攻められるのを受け止めるだけだった。
顔が青白くて、無表情な顔が強張っている。
でも綺樹は精神的な自分の助けを求めていない。
成介が判をもらう書類を手に入ってきた。
「昨晩、ミズウルゴイティに電話をしました」
涼の手が止まった。

