「わかった。 NYに戻るよ」 「助かる。 できるだけサポートする」 それにはどうしても言わずにいられなかった。 「おまえが私についたって何の役にも立たない。 さやかの手でも握っててやれば」 トゲのある声で言い捨てると電話を切った。 綺樹は久々に立ち起こった感情を、一つ呼吸をして無にすると、そのままダバリードの本社へと向かった。