The side of Paradise ”最後に奪う者”


放っておいて、それが本心だった。

誰とでも会えば、それまでの過去を思い出させられる。

一人にしておいて欲しかった。

携帯は充電池が切れたので、そのままにしておいた。

長袖とカーディガンを衣装箱から取り出した。

追いつくぐらいに勉強すれば忘れられる。

そう思い込めると、再び授業に出始めた。

全て忘れる。

感情を起さないように。

感情が起きれば、飲み込まれる。

飲み込まれて、沈む。

だから。

全てOFFにする。

なんとか毎日を潰していく手立てを、身につけかけていた時だった。