The side of Paradise ”最後に奪う者”


涼はちょっと机へ体をひねって携帯を放り投げた。

両手をぽけっとに突っ込んで、街を見下ろす。

お昼休みの時間になったからだろう、西園寺のビルから社員たちが出て行くのが見えた。

自分らしくて笑ってしまう。

なんでも一つ遅いのだ。

綺樹に関しては。

いつだって。