The side of Paradise ”最後に奪う者”


「期限を決めたほうが、いいかもしれない」


涼は蒼白だった。

部屋の隅に浮いていた綺樹は、涼が倒れるんじゃないかと思った。


「僕には何も意見を言う資格がありません。
ご判断は親族の間で決めるものですし。
結論が出たら教えてください」

「もちろん」


尚也はにっこりと元気づけるように笑いかけて、出て行った。

親子なんだな。

笑い顔までそっくりだ。

涼は傍らの椅子に座った。

綺樹の顔を見つめる。

涼の体が少し傾いだ。

片手で顔を覆う。