涼が車から飛び出してくる。 自分を呼び、体を起すのを上から見ていた。 息をしていないし、心臓も止まっているのに気が付いた。 繰り返し名前を呼び、人工呼吸をし、心臓マッサージをしている。 まあ、まともにケアしていなかったからな。 限界かもしれないな。 綺樹は自分の体に対して冷静に判断していた。 涼が携帯を取り出し、電話をしながら警備員を怒鳴り呼んでいる。 エレベータが開く音がして、成介が現れた。 「何があったんですか?」 子供を叱るような言い方だった。