途端に綺樹が笑ったのに涼の手が止まる。 綺樹は頬杖をついたまま意味深に笑いながら見上げた。 「初めて寝たときのきっかけが、これ」 空いているほうの手の指で小麦粉を指した。 「小麦粉?」 「そう。 さんまに小麦粉をつけさせられたとき、誤って小麦粉が被ってしまって」 思い出すように視線をテーブルに伏せた目が優しくなって、言葉をとぎらせた。 「おまえに手を出してはいけなかった。 わかっていたのにな」 呟いた。 「なんで?」 涼が可笑しそうに聞いた。 綺樹はくすりと笑って涼を見上げた。