The side of Paradise ”最後に奪う者”


「そうだな。
 そろそろ緩んできそうだな」


涼は軽く頭を小突いた。


「まったくもって、あなたほど怠惰な人には言われたくない。
 あなただって今の生活を続けてみろ。
 体の線が崩れるぞ。
 酒は本当に太るし、煙草は肌が荒れる」


ちょっと言葉に詰まっていた。


「うーん、ちょっと正すかな。
 そこらへんの武器が使えなくなるのは厳しいもんな」


今度は涼が黙った。


「訂正。
 酒、煙草じゃなくて、そっちの方を正したほうがいい」


綺樹は笑って涼の腕に自分の腕を絡めた。