The side of Paradise ”最後に奪う者”


「用意してくる」


涼は思わず笑った。

時々そういう恥じらいが突然出てきて、面白い。

涼も身支度をするために湯から上がった。

まだ朝とは言えないような時間の浜辺には、以外にも人の姿が垣間見えた。

走っている人。

犬の散歩をしている人。

ボディーボードをしている人。


「いいな。
 僕も少し体を動かしたいな」


このところ忙しくてジムに久しく行っていない。


「体がなまってしょうがない」


綺樹がちらりと見上げる。