全然、わからない。 なんだこれは。 涼は止めていた息を吐いた。 誰だ、この妻の欄に×印がつけられた綺樹とは。 しかも二度もだ。 凄い恐怖感だった。 思い出さないことになのにか、綺樹という存在になのか。 それとも×印がついていることにか。 離婚しているはずなのに、新たな婚姻届が入っていた。 自分のサインと綺樹という女のサインが既に記入してある。 何がなんだか訳がわからない。 これには何が入っているんだ。 涼はDVDを手にすると茶封筒に全て押し込み、会社へ走り出した。