「私は別に気にし無かったよ」 「それは良かった」 「あなた、面白そうだし」 綺樹は笑みを含ませて言葉を続けた。 涼はちらりと綺樹を見下ろした。 スイッチが入っている。 「ではもっと楽しんでみませんか?」 「そうだね。 NYかボストンに来た時に連絡をちょうだい」 綺樹は携帯を涼に差し出した。 「ということだそうだ。 じゃあな」 涼は携帯を切った。 綺樹が笑う。 「そんな怖い顔をするなって。 ああいうのにはこういう対応が一番だろ」 ダイニングテーブルに歩み寄って座ると、周囲を見回した。