「どうしたんだ?」

「どうしたって・・」


涼が困って戸惑っていた。


「必要なくなったから、かな」

「そういうものじゃないだろう」


家に対しての教育を受けてきた瞬は頭にきた。


「おれにとってはそういうもんなんだ」


涼は冷静にかえした。


「西園寺はもう必要ない」


冷酷なほどのきっぱりとした言い方だった。


「色々と楽しかったよ。
 ありがとうな、瞬」


そう言って電話が切れて、瞬はもの凄く腹が立ったので、それからは連絡をしなかった。