The side of Paradise ”最後に奪う者”


「で、相手はミズウルゴイティなんだろう?」

「違う」


また瞬が笑い出した。


「なかなか見物だよな。
 昔からいつもあっさりといい女を持ち帰るおまえが、これまた昔から一番惚れている女にはいつも四苦八苦している」

「一番惚れている女も作れないお前に、言われたくない」


涼がそっけなく返す。


「ミズウルゴイティがいるじゃないか」

「そうか、受けて立ってやるよ」


瞬はさらに笑い声を大きくさせ、じゃあなといって電話を切った。

馬鹿笑いをしていた瞬は、顔を周囲に変に思われない程度に戻した。