The side of Paradise ”最後に奪う者”


「なるほど、なるほど。
 かなり濃密な時間を過ごしたいわけか。
 おまえは料理を作るのが苦じゃないから、篭れるもんな」


だからあまりこいつに頼むのは気が進まなかった。

背に腹は変えられないとはいえ。


「バイク便でそこに送らせよう」


瞬はあっさりと言った。


「ミズウルゴイティによろしく」

「伝えるわけ無いだろう」

「おっと、まだ礼を聞いていないな」

「ああ、ありがとう。
 助かったよ」


涼はもの凄く平坦な声で言った。