The side of Paradise ”最後に奪う者”


「わかった、じゃあ貸しにしてくれて結構だ」

「彼女を貸してくれるって?」


涼は半目になった。


「お前らしいな。
 そういうこと当事者を抜いて、僕たちだけで決めることじゃないだろ。
 僕はノータッチだ。
 自分の力量を試すんだな」


瞬はからからと笑った。


「そうだな。
 タイミングを見て誘ってみるか。
 で、ホテルも使いたくない、自分の軽井沢の別荘も使いたくない。
 つまり人目に触れたくない、足がつきたくない。
 どういう女だ?
 芸能関係か?」

「外れだ。
 全部外れ」


邪険に言い放った。