The side of Paradise ”最後に奪う者”


1週間を恋人同士のように過ごす。

それは自分にとって、傷が深すぎる行為だとわかっていた。

このままの距離感で、日本を離れると同時に関係を消滅させるのが一番心安らかだ。

涼への想いに幾重にも扉を閉め、鍵をかけているのに。

これを再び解放するのか。

解放した後、また閉じ込める。

相当の痛みの耐えがたき日々。

何度も経験してきた。

乗り越える気力は残っていなかった。

だから日本を離れたら、終わりにしよう。

ここで決着をつけたら涼は苦しむ。

距離が遠ければ、その事実は夢のようだろう。

過ごした夏の思い出と共に。

後、決めることが残っているのは、終止符のつけ方だけだった。