The side of Paradise ”最後に奪う者”


「それで?
 どうしたの?」

「会いたい」


真っ直ぐな声に心が揺さぶられる。

綺樹は目を閉じてその衝撃に身を任せる。

あと少しで無くなるので、味わっておきたかった。


「うん、会おうか」

「あなたも会いたい?」


仕返しの積もりだろう。

涼がいたずらっぽく聞いている。

綺樹は口元で微笑して柔らかく言った。