The side of Paradise ”最後に奪う者”


トランクを閉めて、運転席に乗り込む。

7日間。

実質は仕事があるから金曜日の夜からの週末だけだ。

短すぎる。

7日間、誰にも邪魔されないどこかで、片時も離れずにいたら、まだ満足できるだろうか。

涼はエンジンを回した。

もう少し若かったら。

仕事を放り出してそうしたのに。

そうだった、そうだった。

涼は苦笑する。

放り出して外国に行ったんだよな。

結局のところ、過ごす時間の長さじゃない。

自分が意思を強く持てるかどうかなんだよな。

いつだって。