The side of Paradise ”最後に奪う者”


  *

成田から北野の家には涼が車で送ってくれた。

あまり会話は弾まなかった。

正面の門の前で車を止める。


「また、電話する」

「ああ」


涼がちょっと伺う表情を見せた。

今日は朝から元気が無かった。


「大丈夫か?」

「なに?」


なぜそう問われるのかわからなかった。


「元気が無い」


綺樹は表情を止めた。


「おまえにそういうことを言われると思わなかった」

「どうして。
 恋人を気遣っておかしい?」


その単語が原因とはいえない。

というよりも、元気がないと見破られるのが問題だ。