* 成田から北野の家には涼が車で送ってくれた。 あまり会話は弾まなかった。 正面の門の前で車を止める。 「また、電話する」 「ああ」 涼がちょっと伺う表情を見せた。 今日は朝から元気が無かった。 「大丈夫か?」 「なに?」 なぜそう問われるのかわからなかった。 「元気が無い」 綺樹は表情を止めた。 「おまえにそういうことを言われると思わなかった」 「どうして。 恋人を気遣っておかしい?」 その単語が原因とはいえない。 というよりも、元気がないと見破られるのが問題だ。