「もうちょっと休め。
 丸一日寝ていたんだぞ。
 まだ無理だ。
 女王には言っておいた。
 一月ぐらいはここで静養だ」

「それは無理だろう」


軽く笑いながら返し、一日寝ていたことに驚いた。


「仕事はこっちに送るそうだ」


ベッドを降りようと上掛けをはいだ手を止めた。


「そうだ。
 婚約おめでとう」


フェリックスが顔を向けた。

綺樹はにっこりと笑った。


「確かに、おまえとさやかならお似合いだ
 なぜもっと早くに気付かなかったんだろうな」


皮肉と思ったのか、フェリックスは鼻先で笑って顔を窓に戻した。