* 目を開けた。 優美な曲線の家具。 ウルゴイティの自分の寝室なのに段々と気が付いた。 自分のと思っていたけど。 さやかとフェリックスの子供が生まれれば出なくてはならない。 居場所と思っていたところが次々と無くなっていくな。 ぼんやりと思った。 「気づいたか?」 フェリックスが窓に寄りかかり、外を見ていることに気が付いた。 「ああ・・」 体を起こす気力も無かった。 しかしここに来たのは仕事があるからだ。 上体を起す。 まだ外は明るい。 そう遅れにはならないだろう。