「全く。
負けたっていいだろう」
呟いてベッドに投げ出すように横にすると、綺樹が少しまぶたを引き上げた。
じっと目の前をみつめている。
状況を判断しようとしているらしい。
「水、飲む?」
涼の声にほっとしたように表情を緩めた。
交渉相手か、知らない男かと寝る羽目になったのかと思ったのか。
頷くような動きに階下の冷蔵庫からペットボトルを持ってきた。
「そのまま」
グラスに注ごうとしたら綺樹が手を伸ばした。
抱きかかえるように上体を起こすのを手伝って、口元にペットボトルをあてがった。
息でペットボトルの中が曇る。
なんか似たようなことがあったような気がする。

