The side of Paradise ”最後に奪う者”


涼はドアに肘を付き、片手で顔を覆ったままじっと耳を傾けていた。

“welcome to hell”

誰かに囁かれた気がした。

声ではなく、直接脳に。

I’ll remember till the day I die.

声無きメロディーが突き刺さり、涼は目を閉じた。

自分は覚えていられなかった。

そして何を忘れているのかもわからない。