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上海のコテージに着いて、綺樹の荷物があるのに、着いているらしいのはわかった。
「全く、らしいですね」
「全くらしいだろ」
成介が思わずもらした言葉に、涼も同調する。
リビングのローテーブルには書類が広がったままで、脱いだままの上着がソファーにかけっぱなしだった
し、空のペットボトルは床に転がっていた。
テレビ台にはアクセサリーが外した後、置きっぱなしの感じがあった。
「どうして、こんなにお部屋が汚いの?」
花蓮を抱き上げて涼は笑った。
「少々お片づけが下手なお姉さんでね」
そのまま成介に渡す。

